車買取業者に連絡するとどうなるか

 急きょクルマを買い換えることになり、2008年に購入したAudi A4 Avant 1.8Tを手放した。そのときの経緯が印象的だったので、書いておこうと思う。
 BMWディーラーの営業さんが、魅力的な条件を提示してくれたので、よし、買うぞ! と決めたのだけれど、下取りの提示価格に納得できなかったので、買取業者を探すことに……といってもアテはないので、よくクルマ系のWebサイトで見かける「最大○社一括査定」と掲げたバナーをクリック、諸々の条件を入力した。
 待つこと10分。メールが次々到着し、電話もかかってきた。で、4社ほど時間をカチあわないように、翌朝から30分づつずらしてアポをとり、一気にカタをつけることに。高額買取なるか?
 翌日。道路事情などもあり、意図せず4社の営業マンがカチあうことに。これがよかったのか悪かったのかはわからないけれど、いい経験だったことは確か。というのも、彼らが目の前でセリを始めたから。そんな光景、滅多に見られるもんじゃないもの!
 彼らを放置しておくと、どうやらカチあうことに慣れているらしく、一人の営業マンが仕切り始めた。どの程度の額を希望しているか尋ねられ(相見積をとっていたAudiディーラーの下取提示額をそのまま伝えた)、そこから10万円下の金額からスタート。彼らは携帯電話で会社と連絡をとりはじめ、そのままつないだ状態に。そして、基本千円刻みというルールでセリが始まった。
 A「○○○万5千円!」B「○○○万!」C「○○○万1千円!」D「○○○万2千円!」B「○○○万!」……自分のクルマがセリの対象になるのは、正直複雑な心境。ご近所の手前もあり、声のトーンを落としてほしいこともあったし。それに、約3年の付き合いのクルマに対し申し訳ない気持ちがあったことも確か。ゴメンよ、A4。
 ヤラセなんじゃないか、出来レースなんじゃないかと4人の様子をうかがっていたが、それは杞憂だったらしい。携帯から会社の上司と思われる人の声が漏れていたし、途中通信が切れてかけ直していたし。
 で、数分ほど応酬が続いたあと、場を仕切ったA氏が落札。BMWディーラーの下取り提示額を約20万上回る値が付いた! Audiの下取り提示額(現行A4への乗り換えを勧めていたAudiディーラーの営業マンが提示していた金額。そこそこいい値段)を3万円上回ったこともあり、落札価格を了承。他社の3人は一礼のあと帰り(また機会がありましたら! という気持ちのいい別れだった)、僕はA氏を自宅に招き入れて契約書にサインしたのだった。