Back In Your Heart Again / Kalapana


 ドライブ時のBGMには、Kalapanaをよく聴く。なぜいまどきカラパナ、サーファーでもないのに……と思うことなかれ。確かに彼らは"売らん哉"でメンバーが集められた経緯があるが、音楽的にはかなりハイレベルだと思う。特に、中心メンバーの故マッキー・フェアリーの作曲能力たるや。代表曲の「The Hurt」、乾いたアコースティックギターの音色が心地いい「What Do I Do」なんて、極上のPOPSだと思う。もっとも、サーファーロックなどというカテゴリ分けに騙されていた自分が彼らの音楽を聴くようになったのは、つい2年ほど前なのだけれど。
 そして最近買った彼らのアルバムで一番印象に残ったものと聞かれれば、この「Back In Your Heart Again」と答える。そりゃあ、1stの「Kalapana」と2ndの「Kalapana II」が高評価なのはわかるし、実際そうなのだが、このアルバムには彼らのよさが凝縮された曲が1つある。
 その曲とは「Winds of Oahu」。日本人ギタリスト増尾元章氏が書いたインスト曲をKalapanaがカバーしたものなのだが、オアフ島の風という看板にいつわりなし、とても心地良いアレンジに仕上げている。ボーカルはメインパートがマラニ・ビリュ―、サビのおいしい部分がマッキー・フェアリー。もともとKalapanaというバンドのバックグラウンドには、ハワイアンありサンバありBeatlesありと、要は「心地良いものはなんでも取り入れる」というハワイ人らしい部分があるのだけれど、この曲ではそれが存分に生かされている。
 とにかく、この「Winds of Oahu」1曲のためだけにアルバムを購入する価値あり。夏の材木座海岸あたりをドライブするとき、この曲があるとなしでは全然違う!

Back in Your Heart Again

Back in Your Heart Again